不倫慰謝料は減額できる?減額のコツをご紹介します!

不倫が発覚し、請求された不倫慰謝料は、適正な金額でしょうか。

減額できる根拠があるにもかかわらず、提示された金額をそのまま支払おうとしていませんか。

この記事では、不倫慰謝料を減額するコツをご紹介します。

目次

不倫慰謝料の相場

不倫慰謝料の相場は、不倫が原因で離婚したかしないかによって金額が異なります。

具体的には以下のとおりです。

なお、この不倫慰謝料の相場は、裁判上のものです。

当事者同士で合意する場合や、交渉によって、相場以上の金額で解決できることがあります。

 

不倫慰謝料を減額できるかもしれない12のケース

不倫慰謝料の具体的な金額の算出には、個別の様々な事情が考慮されます。

次の12項目のいずれかに該当する場合は、不倫慰謝料を減額できる可能性があります。以下でご説明します。

夫婦間の子の有無

夫婦の間に子がいるかどうか、その子が未成熟であるかどうかが、不倫慰謝料の金額に影響します。

子がいない

夫婦の間に子がいない事情を不倫慰謝料の減額事由と評価した裁判例が複数あります。

子が成熟している

夫婦の間に子がいた場合でも、次の事情を不倫慰謝料の減額事由として評価した裁判例があります。

  • 子が相応の年齢である
  • 子が成人している
  • 子が夫婦と共に生活していない(家を出ている、独立している)

夫婦の婚姻期間が短い

夫婦の婚姻期間が4年以下である場合、比較的短いとの評価であり、不利慰謝料の減額の可能性があります。

不倫関係の期間が短い

不倫関係の期間について、例外はあるものの1年程度であれば、比較的短いと評価した裁判例が複数あり、不倫慰謝料の減額の可能性があります。

ただし、期間に対して不貞行為が頻繁に行われている場合は、減額は難しいです。

不貞行為の回数が少ない

不貞行為の回数が少ない場合は、不倫慰謝料の減額事由と評価されます。具体的には1回から3回程度については、少ないと評価した裁判例があります。

不倫関係開始時、夫婦関係が円満でなかった

不倫関係開始時点での夫婦の婚姻関係が、破綻とまではいかないまでも、少なくとも円満ではなかった事情を不倫慰謝料の減額事由として評価した判例が複数あります。

不倫以外にも夫婦関係に影響を及ぼす事情があった

夫婦の離婚の原因が不倫以外にある場合、不倫慰謝料の減額事由となります。次の2例を紹介します。

配偶者の暴行(東京地裁平成28年2月24日)

夫婦の婚姻関係の修復が容易ではない状況に陥った理由は、不倫関係もさることながら、不倫をしていた配偶者の暴行により傷害を負ったとする被害届を提出したが不起訴処分に終わったことによるところが少なくないと考えられます。

就労や家計管理などの考え方の不一致(東京地裁平成28年4月6日)

夫婦が別居に踏み切ったのは、就労や家計の管理などをめぐり、不満を持っていたことによるとみられるのであり、不倫関係が修復を著しく困難にした事情とはいえるものの、これが決定的原因とは言い切れません。

不倫による影響が夫婦関係に及んでいない

不倫の結果が夫婦関係に影響していない場合、不倫慰謝料の減額事由となります。

婚姻関係が破綻に至っていない

不倫発覚後も夫婦が同居しており、婚姻関係の回復に向けて動いているなど、婚姻関係が破綻したとまでは認められない場合は、不倫慰謝料を減額できます。

離婚には至っていない

不倫発覚後も夫婦が離婚や別居をせずに、従前と変わらずに同居して生活している場合、不倫慰謝料を減額できます。

不倫された配偶者の無関心

不倫をされた配偶者が、不倫をしていた配偶者に対して、無関心であったことを理由に不倫慰謝料を減額した裁判例を2つご紹介します。

名古屋地裁平成29年3月31日判決

妻が夫の不倫相手に対し、不倫慰謝料請求をした事件です。

妻は、自宅を出て設立した会社の事務所で寝泊まりするようになった夫に対して、約5年もの間詮索せず、夫の生活面や経済面について無関心でした。また、夫の余命宣告後もほとんど妻は看病をせず、不倫相手が夫の看病を行っていました。これらの事情が夫らの不倫による妻の受けた精神的苦痛は大きくないと判断され、不倫慰謝料の減額に繋がりました。

東京地裁平成28年6月2日判決

夫が妻の不倫相手に対し、不倫慰謝料請求をした事件です。

夫が妻と離婚後、短期間で再婚した事情が、妻らの不倫により夫が受けた精神的苦痛は大きくないと判断され、不倫慰謝料の減額に繋がりました。

不倫相手に故意がなかった

不倫相手に夫婦の婚姻関係を積極的に破壊する意思がなかった場合は、不倫慰謝料減額の可能性があります。

交際相手が既婚者だと知らなかった

婚活サイトをきっかけに交際を開始し、交際当初交際相手が既婚者だと知らなかった事情を不倫慰謝料の減額事由とした判例があります。

交際相手の婚姻関係が破綻しているという発言を信じた

交際相手の婚姻関係が破綻している趣旨の発言を信じて不倫関係を継続していた場合、交際相手の発言のみを信じた点に過失は認められますが、不倫慰謝料の減額事由とした判例があります。

不倫関係が既に終了している

不倫慰謝料請求時、すでに不倫関係を終了している場合は、不倫関係を継続している場合に比べて慰謝料が減額できます。

夫婦間で金銭の交付や宥恕があった

夫婦間で不倫慰謝料の交付や宥恕があった場合は不倫慰謝料を減額できる可能性があります。

夫婦間での金銭の交付

不倫相手に満額の不倫慰謝料を請求しても、既に配偶者から金銭の交付を受けている場合は、既払い分が控除されるため不倫慰謝料が減額できます。

夫婦間の宥恕

不倫は共同不法行為であり、不倫をした配偶者と不倫相手の両方が責任を負います。そのため、不倫をした配偶者を許した事情が不倫慰謝料の減額事由と評価した判例があります(東京地裁平成29年7月10日判決)。

夫婦間での責任追及を行っていないこと

不倫をされた配偶者が、不倫をした配偶者に対して何ら責任追及をしていない場合は、不倫をした配偶者を許したと同様に考えられるため、不倫慰謝料の減額事由と評価できます。

不倫関係について謝罪している

不倫相手が不倫された配偶者に対して謝罪している場合は、不倫慰謝料の減額事由として評価している裁判例が複数あります。

 

不倫慰謝料を払わなくてもいいかもしれない3つのケース

不倫関係開始時点で、夫婦の婚姻関係が破綻していた場合

婚姻関係の破綻とは、婚姻関係が完全に修復の見込みのない状態です。具体的には、次の状態です。

  • 夫婦が離婚に向けた別居を開始している
  • 夫婦間で具体的な離婚協議を開始している
  • 夫婦は同居しているが、会話や接触が全くなく、生活費も各自で負担している

婚姻関係破綻後の不倫は不法行為に該当しないため、不倫慰謝料を支払う必要はありません。

時効期間が経過している

不倫の発覚から3年以上が経過してからの不倫慰謝料請求については、消滅時効を援用することで支払いを免れる可能性があります。

詳しくはこちらの記事も読んでみてください。

不倫慰謝料請求の消滅時効を解説!|ネクスパート法律事務所仙台オフィス

不貞行為がなかった

不倫慰謝料は、不貞行為がなければ支払う必要はありません。不貞行為とは、挿入を伴う性行為や性交類似行為のことです。

ただし、キスや抱き合う行為のみの場合については、不貞行為に該当すると評価する判例と、該当しないと評価する判例とで見解が分かれているため、不倫慰謝料を支払わなければならない可能性があります。

 

不倫慰謝料 減額交渉の流れと期間

不貞慰謝料の減額交渉の流れは次のとおりです。

発覚から慰謝料請求|即日~離婚後

次のとおり、不倫慰謝料請求の手段は様々です。

  • 話し合いの場が設けられ、直接請求される
  • 電話やメッセージがあり、請求される
  • 突然弁護士から書面が届き、請求される など

不倫発覚後、すぐに連絡をしてくる場合もあれば、証拠をそろえてから連絡してくる場合もあります。

請求側が、離婚後の方が高額な慰謝料を請求できることを知って、離婚が成立してから不倫慰謝料を請求してくることもあります。

示談交渉|約3か月

示談交渉は、書面でやり取りするのが鉄則です。

口頭でのやり取りは、言った言わないの不要な争いに繋がります。書面でのやり取りは、慎重に検討できるメリットもあります。

提示された金額を支払えない場合は応じずに、支払えない理由や支払える金額を伝えます。分割払いの交渉をしてもよいでしょう。

話し合いがまとまった場合は、必ず示談書を作成します。

弁護士が介入する不倫慰謝料請求では、示談交渉の期間は約3か月程度を見込んでいます。3か月経過後も合意ができない場合は、調停や裁判を検討します。

不倫慰謝料請求調停|1か月~1年

示談交渉で解決できなかったが、話し合いで解決できる余地がある場合は、調停が申し立てられます。調停が申し立てられると、裁判所から自宅に調停申立書と呼出状が届きます。調停は月に約1回開かれ、調停委員によって申立人と相手方が交互で話を聞かれます。調停が成立までにかかる期間は、1か月で終わる場合もあれば、1年かかる場合もあります。

調停は、出席しなかったり話し合いで解決できなかったりすると不成立となります。

裁判|1か月~1年以上

調停が成立しない場合や、話し合いでの解決が困難と予想できる場合は裁判を起こされます。

裁判を起こされると、裁判所から自宅に訴状と呼出状が届きます。裁判では、主張立証は全て書類で行います。調停と異なり、無断で裁判期日を欠席した場合は、請求側の言い分を認めたと判断され、判決が出てしまいます。判決が確定すると、財産が差押えられてしまう可能性があります。

判決までの期間は、出席せずに1か月出る場合もあれば、徹底的に争って1年以上かかる場合もあります。

 

不倫慰謝料の減額のポイント

不倫慰謝料を減額させるポイントは次のとおりです。

不倫慰謝料の相場と適正額の把握

不倫慰謝料は、相場と適正額が必ずしも同じではありません

請求側の金額に応じれば早期解決ができます。しかし、減額できる事情があるのに主張しなければ、支払う必要のない金銭を支払ったことになります。

不倫慰謝料の相場を知ると同時に、交際の経緯や事情を整理しましょう。

誠実な態度と謝罪

不倫慰謝料の減額交渉を行う場合は、減額の根拠を伝える前に、誠実な態度で謝罪の気持ちを伝えましょう。不倫を認めず不合理な弁解を行ったり、虚偽の事実を伝えたりする行為は、不倫慰謝料増額の事情になります。

不倫慰謝料請求を弁護士へ依頼する

請求側の被害感情が大きいと、減額を求めても応じてもらえません。減額の理由を主張して請求人を刺激し、交渉がこじれてしまうこともあります。

弁護士に依頼することで、法的に減額の根拠を伝え、スムーズな解決ができます。

 

まとめ

当事者間での不倫慰謝料の減額交渉は、感情的になりスムーズに進まないものです。

適正額での早期解決のためにも、これまでの不倫の経緯や事情を整理して、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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