ダブル不倫の慰謝料を請求されて、悩んでいませんか?
ダブル不倫は、通常の不倫(不倫当事者の一方が独身の場合)に比べて、配慮しなければいけないことがいくつかあります。
次の事情によって、取るべき対応も異なりますので、状況を正しく理解して、対処することが大切です。
- 不倫の事実がどちらの配偶者にバレたのか
- 不倫が発覚した夫婦が離婚するのか・しないのか
この記事では、主に以下の点を解説します。
- ダブル不倫で慰謝料請求された場合にすべき3つのこと
- ケース別:ダブル不倫における慰謝料の相場
- ダブル不倫で慰謝料請求された場合の対応
ダブル不倫の慰謝料についてお悩みの方は、ぜひご参考になさってください。
ダブル不倫で慰謝料請求された場合にとるべき3つの行動
ダブル不倫で慰謝料請求をされた場合、まずは以下の3つの行動をとりましょう。
- ダブル不倫で慰謝料請求ができる事実があったかを確認する
- 不倫に関する案件を多く取り扱っている弁護士に相談する
- 請求相手の心情に配慮する
これらの行動は並行して行った方がよいです。
慰謝料請求ができる事実があるかを確認する
ダブル不倫で慰謝料請求をされたら、本当にあなたの行動が慰謝料請求を発生させるものか確認する必要があります。
なぜなら、不倫による慰謝料請求が認められる要件を満たしていない場合、あなたは相手の請求を拒否できるからです。
不倫による慰謝料請求が認められるか判断するために下表の5つの要件が満たされているか確認してください。
5つの要件 | 詳細 |
①不貞行為があったこと | 肉体関係を持っていると客観的に認められる場合に要件を満たすと判断されます。 例えば、次のような場合は客観的に不貞行為があったと認められてしまうこともあります。 ● ラブホテルに入り長時間滞在している場合 ● 二人きりで旅行に行き、同室に宿泊した場合 など |
②不貞行為があなたの意思に基づくこと | 不貞行為があなたの意思に基づくことを必要とします。 そのため、例えば脅迫や強引な手段で無理やり肉体関係を持たされた場合には、あなたの意思に基づく不貞とはいえませんから相手の慰謝料請求は認められません。 |
③相手に配偶者がいたことを認識しまたは認識できたこと | 次のような場合に、この要件を満たすと判断されます。 ● 交際相手が既婚者と知っていた ● 交際相手が既婚者と知り得る状況にあったのに不注意で気づけなかった |
④相手の婚姻関係が破綻していないこと | 相手夫婦に、以下のような事情があると、婚姻関係が破綻していないと判断される可能性が高いです。 ● 夫婦が同居している ● 夫婦間に性交渉がある ● 家族で旅行をしている ● 子どもの学校行事やイベントに夫婦で協力して参加している ● 夫婦の一方が他方の介護や看病している ● 別居期間が同居期間に比べて短い ● 別居をしているが夫婦間で離婚の話は出ていない |
⑤不倫があったことを請求者が知ってから3年が経過していないこと | 被害者である請求者が、不倫の事実を知ってから3年が経過した場合には時効により請求権が消滅してしまうため3年経過していない事実が必要となります。 |
これらが認められてしまうと不倫による慰謝料請求がされてしまいます。
もっとも、一つでも要件を満たさない場合には、あなたは慰謝料請求を拒否できます。
請求額が150万円以上の場合は弁護士に相談する
ダブル不倫で慰謝料請求をされている場合、請求額が150万円以上であれば弁護士に相談した方がよいです。
なぜなら、150万円以上であれば弁護士費用を差し引いてもあなたに利益が残るからです。
もっとも、150万円未満の請求であっても弁護士に相談してはいけないというわけではありません。弁護士の無料相談を利用してみてから正式に弁護士に依頼するか否か判断することも一つの手段です。
弁護士に相談する際には、ダブル不倫に関するトラブル解決実績が多い弁護士事務所を選択することをお勧めします。
ネクスパート法律事務所では、これまで約9800件以上の不倫に関するご相談を受けております。ダブル不倫で150万円以上の慰謝料請求を受けていらっしゃる方はぜひ当所にご相談ください。
◎お問い合わせ方法◎ お問い合わせ・相談のご予約は、お電話・メール・LINEのいずれかにて24時間受け付けております。 ①お電話の場合 0120-82-1010にお電話いただきますと、スタッフから簡単にご相談内容の確認をさせて頂き、その上で弁護士との面談日程の調整をさせて頂きます。 ②メールの場合 お問い合わせフォームから、必要事項をご入力の上、お問い合わせください。弊所にてお問い合わせ内容を確認後、お客様にご連絡いたします。 夜間・早朝は、ひとまずメールでご連絡をいただけると、その後のご相談がスムーズです。はじめて弁護士へ法律相談をされる方にもご安心いただけるよう丁寧に対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。 |
請求相手の心情に配慮する
法的観点とは異なりますが、請求相手の心情に配慮した対応を心がけることが相手との円滑な交渉を行っていくうえで大切です。
ダブル不倫をし、請求者を傷つけた加害者はあなたと不倫相手です。
あなたの言動が人の心を損害賠償しなければならないほど深く傷つけてしまったという前提をしっかりと認識しましょう。
そのうえで、相手の合理的な要求は真摯に受け止め、不合理な要求には根拠を示して冷静に対応していきましょう。
もしかしたら、被害者である請求者は、感情的になるあまり、あなたに対して挑発的な言動や怒りをぶつけてくるかもしれません。
しかし、自分の立場をわきまえ、相手の挑発に乗ったり逆ギレしたりすることなく、もしあなたが配偶者に不倫をされ、不倫相手に慰謝料請求する立場になったら、どんな気持ちになるかを想像しながら対応してみてください。
ケース別:ダブル不倫における慰謝料の相場
ダブル不倫で慰謝料請求をされた場合の相場は、下表のとおりです。
慰謝料の相場は、双方の夫婦が離婚しない場合、双方の夫婦が離婚する場合、一方の夫婦が離婚する場合によって異なります。あなたに慰謝料を請求する可能性がある人も併せて確認しましょう。
あなたに慰謝料を請求する可能性がある人 | 慰謝料の相場 | |
両夫婦が離婚しない場合 | 不倫相手の配偶者 | 約50万円~約100万円前後 |
あなたの夫婦のみが離婚する場合 | ● 不倫相手の配偶者 ● あなたの配偶者 |
● 不倫相手の配偶者 約50万円~約100万円前後 ● あなたの配偶者 約50万円~約300万円 |
不倫相手の夫婦のみが離婚する場合 | 不倫相手の配偶者 | 約50~300万円前後 |
両夫婦が離婚する場合 | ● 不倫相手の配偶者 ● あなたの配偶者 |
● 不倫相手の配偶者 約50万円~約300万円前後 ● あなたの配偶者 約50万円~約300万円 |
※慰謝料の相場はあくまで相場です。個別具体的な事情によって増減する場合もある点にご留意ください。
※裁判所の判断から、離婚を生じさせた直接の原因がダブル不倫であれば比較的高額な慰謝料となる傾向にあります。
上記の4つのケースの詳細を以下で解説します。
特に双方が離婚しない場合の和解方法である四者和解や四者ゼロ和解は、ダブル不倫独特の解決方法です。経済的負担を減らすことができる手段ですので、ぜひ参考にしてください。
両夫婦が離婚しない場合
あなたに慰謝料を請求する可能性がある人
両夫婦が離婚しない場合に、あなたに対して慰謝料を請求する可能性がある人は、不倫相手の配偶者です。
あなたの配偶者から慰謝料請求がされない理由は、あなたの夫婦が離婚しない場合、あなたの配偶者があなたに慰謝料を求めても、夫婦財産の範囲内でお金の移動があるだけで夫婦財産の増減はなく請求する意味がないからです。
慰謝料の相場
請求される慰謝料の金額は約50~ 100万円と言われています。
もっとも、両夫婦が離婚しない場合には3.2で紹介するように、双方の夫婦(四者)間で和解が成立し、慰謝料のやり取りがされず、示談書のみを交わす場合や少額の慰謝料で解決する場合も多いです。
あなたの夫婦のみが離婚する場合
あなたに慰謝料を請求する可能性がある人
あなたの夫婦のみが離婚する場合に、あなたに対して慰謝料を請求する可能性がある人は、あなたの配偶者と不倫相手の配偶者です。
そのため、あなたは慰謝料の二重請求を受けるおそれがあります。
あなたが離婚する場合、あなたとあなたの配偶者の財産は別になりますから、あなたの配偶者は慰謝料請求によって経済的な利益を得ることができます。
そのため、あなたの配偶者はあなたに対してダブル不倫の慰謝料請求をすることが多いです。
慰謝料の相場
不倫相手の配偶者から慰謝料請求される場合に相場は、約50~100万円です。
不倫相手の夫婦は離婚していないため、不倫が原因で離婚してしまう場合よりも慰謝料の額は低くなります。
あなたの配偶者があなたに対してする慰謝料の相場は約50~300万円です。
ダブル不倫を直接の原因とする離婚であるほど、ダブル不倫を行った当事者の責任が大きくなり、慰謝料が高額になる傾向があります。他方で、ダブル不倫の前から夫婦関係に亀裂が入っていたり、破綻していたりする場合には、慰謝料は少額になる傾向があります。
不倫相手の夫婦のみが離婚する場合
あなたに慰謝料を請求する可能性がある人
不倫相手の夫婦のみが離婚する場合、あなたに対して慰謝料を請求する可能性がある人は、不倫相手の配偶者です。
あなたの配偶者から請求されない理由は、2.1でも述べた通り、離婚しない場合に慰謝料請求をしても家計内でお金の移動があるだけで請求する意味がないからです。
慰謝料の相場
不倫相手の配偶者から慰謝料請求される場合に相場は、約50~300万円です。
両夫婦が離婚する場合
あなたに慰謝料を請求する可能性がある人
両夫婦が離婚する場合に、あなたに対して慰謝料を請求する可能性がある人は、あなたの配偶者と不倫相手の配偶者です。
そのため、あなたは慰謝料の二重請求を受ける可能性があります。
慰謝料の相場
両夫婦が離婚する場合、あなたの配偶者と不倫相手の配偶者から請求される慰謝料の相場は約50~300万円です。
上述したようにダブル不倫を直接の原因として離婚することとなった場合には、慰謝料が高額になる傾向があります。
そのため、両夫婦が離婚する場合には各ケースの中で最も高額な慰謝料請求を支払わなければならないという事態も生じる可能性があり、あなたの経済的負担は大きくなると言えます。
ただし、不倫の慰謝料請求は不倫の当事者が各々の配偶者に対して共同して不法行為を行ったことを根拠に請求されるため、あなたと不倫相手は共同して賠償することになります。
ダブル不倫で慰謝料請求された場合の対応
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合は、両夫婦あるいは一方の夫婦が離婚する場合と、両夫婦とも離婚しない場合とで、対応方法が異なります。
以下で詳しく解説します。
両夫婦が離婚する場合、一方夫婦が離婚する場合は減額交渉をしましょう
あなたの夫婦も不倫相手の夫婦も離婚する場合やどちらか双方の夫婦が離婚する場合は、慰謝料の減額交渉をしましょう。
以下にあてはまる場合は、交渉により慰謝料を減額してもらえる可能性があります。
- 請求額が相場より高い
- 夫婦の婚姻期間が短い
- 不倫の期間が短い
- 不貞行為が少ない
- 社会的制裁を受けている
詳しくは、「不倫慰謝料の減額を狙えるケースと狙えないケース」をご覧ください。
両夫婦が離婚しない場合は四者和解又は四者ゼロ和解を目指して交渉しましょう
ダブル不倫の場合、双方の慰謝料請求を個別に解決する方法もありますが、四者(両夫婦)で一挙に解決する方法として次の2つがあります。
- 四者和解
- 四者ゼロ和解
ただし、どちらかの夫婦の一方にいまだ不倫が発覚しておらず、不倫を発覚させることなく解決したい場合には、四者間での和解は避けた方がよいでしょう。この場合は、個別に解決します。
四者和解
四者和解とは、不倫の当事者を含む4人(両夫婦)で、慰謝料などについて取り決める解決方法です。
例えば、次のような事情があった場合、不倫相手からあなたに対して慰謝料を支払う一方、不倫相手の配偶者からはあなたに対して慰謝料の支払いを求めないと和解することがあります。
- 不倫相手があなたを積極的に誘った
- 不倫相手があなたの妻(夫)に執拗に嫌がらせをした
四者ゼロ和解
四者ゼロ和解とは、不倫の当事者を含む4人(両夫婦)で、互いに慰謝料を請求しないと取り決める解決方法です。
両夫婦がともに離婚しない場合、互いに家計が一つであれば、お互いが慰謝料を請求しても入ったお金が出ていくだけ(家庭内でお金が循環する)ことになります。
そのため、「お互いに請求せず、出ていくお金を0円にしましょう。」と、四者ゼロ和解という解決方法がとられることがあります。
ただし、四者ゼロ和解による解決は、お互いに請求しあうとプラスマイナスゼロになる場合(慰謝料の金額が同等の場合)を前提としています。
不倫慰謝料の金額は、以下の事情など様々な要素を考慮して判断されます。
- 不倫開始時点における双方それぞれの夫婦関係の状況
- 子の有無
- 婚姻期間の長さ
- 不倫が始まった経緯や当事者の積極性
したがって、双方の請求額が異なるケースにおいて、上記のような事情がある場合には、四者ゼロ和解による解決を図ることが困難なこともあります。
可能であれば配偶者に誠意ある謝罪をし、夫婦関係の修復をしましょう
配偶者から明確に離婚を求められていないなら、誠意ある謝罪をして夫婦関係の修復を試みましょう。
不倫をされた側は、「またいつか裏切られるかもしれない。」という不安や悲しみ、怒りを抱えているでしょうから、関係を修復することは簡単なことではありません。
不倫をしたことを心から謝罪し、日々の行動や態度を改めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
相手に対して、「いつもありがとう。」「〇〇してくれて、本当に感謝している。」など、感謝の気持ちを伝えることも大切です。配偶者を尊重していること、夫婦生活のために日常的にしてくれている様々なことに感謝の気持ちを伝えていけば、少しずつ関係を修復できる可能性があります。
不倫をされた側の傷は、簡単には癒えないことを念頭に置いて、配偶者の気持ちに寄り添いながら、関係修復を目指しましょう。
慰謝料請求を回避する目的で、とりあえず夫婦関係修復するという方法を取るのは、賢明な方法とは言えません。
不倫が発覚した時点で、配偶者が離婚を選択しなくても、関係修復がうまくいかず、最終的に離婚を求める場合もあります。
この場合、あなたの不倫がきっかけで婚姻関係が破綻したと評価される可能性があるでしょう。配偶者は、あなたに対して、離婚時に慰謝料を請求する可能性もあります。
そのため、配偶者からの慰謝料請求を回避するために、その場しのぎで夫婦関係を修復することは、おすすめできません。
まとめ
ダブル不倫の慰謝料の相場や慰謝料を請求された場合の対応方法は、ケースごとに異なります。
あなたの配偶者にダブル不倫がバレていない場合で、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されたら、基本的には支払いを検討せざるを得ないでしょう。ただし、慰謝料の減額を見込める場合もあります。
双方の夫婦とも離婚しない場合は、四者和解や四者ゼロ和解による解決が図れることもあります。
四者和解・四者ゼロ和解によって慰謝料問題を一義的に解決したい方、あなたの配偶者に気づかれずに不倫相手の配偶者との交渉を希望される方は、不倫トラブルの解決を得意とする弁護士への相談・依頼するのがおすすめです。
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