配偶者の浮気が発覚すれば、裏切られたという悲しみや怒りなどさまざまな感情が発生するでしょう。「愛しているから」「子どもがまだ小さいから」などという理由で、一度は浮気を許そうと考える方もいるかもしれません。
しかし、どうしても配偶者の浮気が許せないという方もいると思います。配偶者の浮気がどうしても許せない場合、どのように対処すべきなのでしょうか?ここでは、配偶者の浮気が許せない時の対処法をご紹介します。離婚を考えている方も、夫婦関係を修復したいと考えている方も参考にしてください。
浮気が許せない時に出来る事
配偶者の浮気がどうしても許せない時にできる対処法には、「離婚」「慰謝料請求」「誓約書の作成」の3つの方法が挙げられます。それぞれの方法について詳しくみていきましょう。
離婚する
浮気が許せずに夫婦の関係を再構築することが難しいと考える場合、「離婚」することは選択肢の一つだと言えます。一般的に離婚は夫婦の話し合いによる「協議離婚」から行われることが多く、双方が合意すれば離婚原因に関係なく離婚を成立させることができます。
しかし、自分が離婚したいと考えていても、配偶者が離婚を拒否するようなケースもあるでしょう。この場合、離婚調停へ移行することになります。離婚調停とは、裁判所から選任された調停委員会が双方の主張を聞いて意見をまとめ、問題解決を目指す方法です。
離婚調停でも離婚が成立しない場合には、裁判で離婚を争うことになります。裁判になれば、和解や判決で結果を確実に出すことができます。
慰謝料を請求する
浮気は不法行為であり、不法行為があった場合は慰謝料を請求することができます。(民法第709条)浮気の慰謝料の相場は、50~300万円と言われています。浮気が原因で離婚することになれば、精神的苦痛が大きいと判断されて高額な慰謝料が認められる傾向にあります。
一方で、慰謝料は離婚しない場合でも配偶者に対して請求することができますが、同じ家計から慰謝料が支払われることになるため離婚しない場合は配偶者に対して慰謝料を請求しないことが一般的です。この場合には、不倫相手にだけ慰謝料を請求することもできます。
誓約書を書いてもらう
浮気は許せないものの離婚しないという場合には、配偶者に誓約書を書いてもらいましょう。誓約書を作成すれば、浮気の再発予防の効果が期待できます。浮気関係の清算を約束してもらい、再び浮気をした場合には「離婚に同意して慰謝料を支払ってもらう」「罰金○○円」などペナルティを決めておくことをおすすめします。
そうすることで浮気予防をより強化できると考えられます。また、将来的な慰謝料請求の証拠にもなるため、誓約書には浮気を認める内容や浮気内容(交際期間や回数、浮気相手の情報)も記載してもらいましょう。
浮気が許せなくて離婚する場合
浮気がどうしても許せない場合、夫婦生活をこれ以上続けることは難しいという判断になるケースもあるでしょう。
離婚を選択する場合には、次のことを知っておきましょう。
証拠を確保しておく
浮気を許せなくて離婚するのであれば、離婚前に浮気の証拠をしっかり確保しておきましょう。証拠を確保しておけば、慰謝料や離婚請求を行う際に有利になります。
浮気の証拠は、ホテルに出入りする写真やホテルの領収書、肉体関係のあることが分かるメッセージのやり取り内容などが挙げられます。本人の自白も証拠になるため、自白は録音や書面に残しておくべきです。
相手が拒んでも離婚が成立する
あなたが離婚したいと考えていても、配偶者は離婚を拒むようなケースもあるでしょう。協議離婚の場合は双方の合意が必要になるため、相手が離婚を拒否している限り、離婚することはできません。
しかし、離婚理由が相手の浮気であれば、相手が拒否していても裁判で離婚することができます。なぜならば、浮気は「不貞行為」として法律で定められた離婚原因である「法定離婚事由」に該当するからです。(民法第770条)
そのため、相手が離婚を拒否していても、裁判で相手の不貞が認められれば法律上で離婚をすることができます。裁判で離婚を成立させるには、不貞の証拠が必要です。
過去の浮気でも離婚や慰謝料を請求できる
配偶者の浮気が過去のものであったとしても、夫婦関係を破綻させた原因が浮気なのであれば慰謝料や離婚請求は可能です。ただし、過去の浮気の証拠を探すことは難しいと考えられるため、浮気が発覚した時点で誓約書などを書面で作成しておくべきです。
また、過去の浮気に対して慰謝料を請求することはできますが、慰謝料請求には時効があります。浮気の事実や浮気相手を知ってから3年が時効になるので注意が必要です。
浮気を許したい・再構築したい時にすべきこと
配偶者の浮気が発覚した際にはどうしても許せないと思っても、「浮気を許したい」「夫婦関係を修復したい」と考える方もいるでしょう。浮気を許したい・再構築したい場合にできる対処法には、次のようなものが挙げられます。
まずは浮気相手との関係を断つ
浮気を許して夫婦関係を修復するには、まずは配偶者に浮気相手との関係を断ってもらう必要があります。配偶者も夫婦関係を修復したいと考えているのであれば、浮気相手との関係を清算してくれるでしょう。しかし、言葉だけで関係を清算したといってもどこか不安が残ったり、浮気の再発が不安になったりするものです。
浮気相手との関係の清算や今後浮気をしないという約束は、誓約書として書面に残すことをおすすめします。浮気が再び発覚した場合には罰金や慰謝料を支払ってもらうことや、離婚に合意してもらうなどという約束を記載しておけば、将来的な浮気の予防に繋がります。
浮気の原因を話し合う
夫婦関係を修復するのであれば、浮気原因について話し合うことが大切です。あなたの態度が冷たくなった、セックスレス、自宅に居場所がないなど、あなたにも理由があるかもしれません。
浮気の原因があなたにある場合は、浮気をした配偶者ばかりを責めるのではなく自分自身も改善する必要があります。浮気の原因が解消されれば、夫婦関係も再構築されると期待できます。
一旦距離を置く
浮気を許したいと考えていても、すぐに許すことが難しい場合には距離を置くという方法もあります。別居によって物理的に距離を置けば、お互い気持ちを整理して考えることができるはずです。ただし、別居をする際には配偶者にも別居に合意してもらう必要があります。
なぜならば、夫婦には同居義務があるからです。相手の合意なく別居を開始してしまえば、最終的に離婚することになった際、不利になる恐れがあります。別居をする際には婚姻費用として別居期間中の生活費などを相手に請求することができるため、別居に合意することと併せて婚姻費用についても書面に残すようにしましょう。
まとめ
配偶者の浮気を許せなくても夫婦関係を再構築するという場合には、誓約書を作成することをおすすめします。誓約書を作成しておけば浮気の再発予防になるだけではなく、将来的に離婚や慰謝料を請求することになった場合にも証拠として提出することができます。
また、どうしても配偶者の浮気が許せずに離婚や慰謝料を請求する場合には、弁護士に相談してみましょう。弁護士に相談すれば離婚や慰謝料請求に向けて今後の見通しが立てやすくなります。依頼をすれば代理人として離婚や慰謝料請求を任せることもできるので、まずは相談することから始めてみてください。