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配偶者の浮気が発覚して慰謝料を請求する場合、証拠が必要です。証拠がなければ浮気を否定される可能性もありますし、慰謝料の支払いも拒否されてしまう恐れがあります。また、裁判に発展する場合も、証拠がなければ慰謝料が認められません。
では、どういったものが浮気の証拠として有効なのでしょうか。もし相手が浮気を自白した場合、自白は証拠になるのでしょうか？ここでは、浮気の慰謝料請求をするための証拠に自白は有効なのかどうか解説します。併せて、自白以外に有効な浮気の証拠や、証拠の集め方も紹介しているので参考にしてください。
浮気の慰謝料請求で「自白」は証拠になる？
配偶者が浮気をしている、または浮気をしている可能性がある場合、相手を問い詰めれば自白するようなこともあるでしょう。基本的に自白は「証拠」になります。そのため、相手が浮気を自白したのであれば、その自白を証拠として慰謝料を請求することが可能です。ただし、自白が証拠にならないようなケースもあるので注意しましょう。
自白が証拠にならないケース
自白が証拠にならないケースとは、自白を証明できない場合です。自白した内容が録音や書面に残されておらず、裁判で相手が「自白していない」と否定すれば浮気の証拠が何もないことになります。そうすれば、裁判所に慰謝料請求を認めてもらうことは難しいでしょう。
また、強要や脅迫によって得られた自白は無効になります。「自白しないと会社にバラす」「自白しないとこの部屋から出さない」などと言って自白を引き出すことはやめましょう。強要罪や脅迫罪に問われる恐れがあります。
自白した内容は録音か書面に残す
本人の口頭による自白だけでは、浮気を自白したという裏付けが出来ません。そのため、自白した内容は証拠として残すことが大切です。スマホの録音機能やレコーダーを使い、浮気を自白している会話を録音すれば証拠として残すことができます。
また、録音が出来なかった場合でも、改めて自白内容を書面にまとめてもらえば証拠になります。この場合、次の内容を書面にまとめるようにしましょう。
・書面の作成日、署名、押印
・浮気の期間や回数
・浮気相手の情報
・今後の約束
・約束が破られた場合のペナルティ など
これらの内容が記載されていれば、浮気の有効な証拠になります。とくに決まった書式はないので自由に作成することができますが、必ず署名や作成日、浮気の事実について記載してもらってください。
自白以外に有効な浮気の証拠例
浮気の慰謝料請求では証拠を集めておくことが重要です。自白の録音や書面作成が出来なかった場合に備え、有効な浮気の証拠を事前に集めておきましょう。また、自白の録音や書面がある場合でも、他の証拠があれば浮気の悪質性を証明することができます。
そうすれば、より高額な慰謝料の獲得に繋がります。自白以外に有効な浮気の証拠は、「浮気相手と肉体関係があることを証明できる証拠」です。具体的には、次のような証拠が有効だと言えます。
ホテルに出入りする写真や動画
ホテルに出入りする写真や動画があれば、肉体関係があったことを証明しやすいです。ただし、どのような種類のホテルに行ったのかという点が争点になるケースがあります。ラブホテルの場合であれば、肉体関係を持ったことが予想されます。
しかし、シティホテルの場合は仕事の打ち合わせや会食などのシーンでも利用されます。そのため、一緒に宿泊していることが分かる証拠など他の証拠も併せて必要になると言えます。
ホテルの領収書やレシート
宿泊したホテルの領収書やレシートは、浮気相手とホテルを利用したことを立証できる証拠だと言えます。浮気相手といつも同じホテルを利用している場合、ホテルのポイントカードなども見つけられるかもしれません。ホテルの領収書やレシートは、財布や衣類のポケットの中、ゴミ箱から発見されることが多いです。
肉体関係があったことを推測できるLINEやメール
肉体関係があったことを推測できるLINEやメールのやりとりを見つけた場合、自白と同様の有効な証拠になります。ただし、LINEやメールを見るには配偶者のスマホから確認しなければなりません。
配偶者のLINEやメールのログイン情報を知っているからといってご自身のスマホやパソコンなどから勝手にログインして確認することは、不正アクセス行為に該当します。配偶者のスマホを勝手に見ることもプライバシーの侵害に該当しますが、浮気の証拠集めとしてスマホを確認するケースでは問題にならないことが多いです。
安全に配偶者のスマホを確認したい場合は、スマホを見る許可を相手に貰ってください。証拠隠しのために拒否される可能性がありますが、浮気の自白後であればスマホを見せてもらえるかもしれません。
LINEやメールから証拠を見つけた場合には、ご自身のスマホでそのメッセージ内容を撮影しましょう。配偶者のスマホであることが分かるように、スマホ本体も写るように撮影することが大切です。LINEの場合はトーク履歴を送信できるので、トーク履歴をご自身のスマホやパソコンに送信すれば内容を全て確認することができます。
浮気の証拠の集め方
浮気の証拠を集めるには、2種類の方法があります。それは、ご自身で証拠集めをする方法と、探偵に依頼する方法です。それぞれ方法で入手できる証拠の種類は異なるため、状況に応じて適切な証拠集めを行うようにしましょう。
自分で証拠を集める場合
ご自身で証拠を集める場合、相手に証拠を集めていることがバレないようにする必要があります。なぜならば、証拠を集めていることが相手に気付かれれば、証拠を隠滅されてしまう恐れがあるからです。財布やバッグ、衣類のポケット、ゴミ箱、日記など証拠がありそうな箇所を徹底的に探してみてください。証拠を見つけた場合は、全て写真に撮影して残します。
決定的な証拠を集めるために尾行をしようと考える方もいるかもしれませんが、素人が尾行すればバレてしまう可能性があります。また、不法侵入やストーカー行為として警察に通報されてしまう恐れもあるため注意が必要です。
探偵に依頼する場合
浮気の証拠が見つからない場合や、浮気相手の情報が分からない場合には、探偵に依頼する方法も検討してみてください。探偵はプロなので相手にバレないように尾行や情報収集を行い、二人がホテルに出入りしている写真など浮気の決定的な証拠を集めてくれます。
そして、ホテルに出入りしている日時や浮気相手の情報などをまとめ、報告書として渡してもらえます。この報告書も浮気の証拠になり、裁判でも証拠として提出することが可能です。
浮気で請求できる慰謝料の相場
浮気の慰謝料の相場金額は「50～300万円」程度です。慰謝料の金額を決める際には、夫婦関係や浮気の悪質性などの背景が考慮されます。浮気が原因で離婚をするのであれば、精神的苦痛は大きいと判断されて増額される傾向があります。
子どもがいることや、婚姻期間が長いことも増額の要因です。また、浮気の悪質性は、浮気の期間や肉体関係を持った回数、浮気相手の妊娠の有無、浮気発覚後の反省の態度などから判断されます。少しでも高額な慰謝料を獲得するには、浮気の悪質性が高いことを立証するための証拠も必要です。
まとめ
浮気の慰謝料を請求するための証拠として、自白は有効です。しかし、自白は録音や書面で残していなければ証拠としては不十分になってしまうため、形に残るようにすることが大切です。また、自白以外の証拠も集めておけば浮気の悪質性が高いことを証明でき、慰謝料の増額に繋がる可能性があります。いずれにしても、浮気で慰謝料を請求するには証拠集めが大切です。