浮気の慰謝料請求のため、弁護士を利用することを検討されている方も多くいらっしゃるでしょう。その際、気になるのはやはり弁護士費用です。一般的なイメージとしては、弁護士に依頼すると高額の費用がかかるとされています。
では、実際、浮気の慰謝料請求を弁護士に依頼すると、どの程度費用がかかるのでしょうか。この記事では、浮気の慰謝料請求にかかる弁護士費用の相場を浮気で請求できる慰謝料の相場などと合わせて解説します。
浮気の慰謝料請求にかかる弁護士費用の相場
弁護士費用は、弁護士に何を依頼するのかによって変わります。浮気の慰謝料請求であれば、弁護士に依頼する事項として、主に相手との交渉、調停手続、裁判手続の3つが考えられますが、それぞれ費用の相場は異なります。
最初にかかる着手金の相場としては、相手との交渉の場合で10〜20万円ほど、調停手続の場合で10〜30万円ほど、裁判手続の場合で20〜40万円ほどです。配偶者を相手とする浮気の慰謝料請求で、離婚の問題も合わせて依頼する場合には相場はもう少し上がります。
そして、事件の解決後に支払う成功報酬の相場は10〜20%ほどです。事務所によっては、着手金を無料として、その分を成功報酬で支払うという方法を採用しているところもあります。最初の相談料は無料としている事務所も多いので、具体的な費用については無料相談の際に確認するのが確実です。
浮気の慰謝料請求にかかる弁護士費用の種類
浮気の慰謝料請求にかかる弁護士費用の種類としては、次の3つがあります。
- 法律相談料
- 着手金
- 成功報酬
以下、それぞれについて、費用発生のタイミング、費用の具体例などを解説します。
法律相談料
法律相談料は、弁護士に依頼する前の法律相談の際に発生する費用です。費用の相場は、30分あたり5000円程度となりますが、相談料は無料としている事務所も多くあります。また、相談の結果、依頼をすることになれば、支払った相談料を着手金から差し引くという処理をしている事務所もあります。
着手金
着手金は、弁護士に依頼する際に発生する費用です。弁護士と契約し、着手金を支払うことによって案件への対応がスタートします。浮気の慰謝料請求にかかる着手金の費用相場は、先に記載したとおりです。
ただし、たとえば、相手との交渉の着手金が20万円、調停手続の着手金が30万円、裁判手続の着手金が40万円の事務所でも、交渉から調停、裁判と順次依頼する場合には、調停移行時に10万円、裁判移行時にさらに10万円という形で、前の段階で支払った着手金は差し引かれるという場合がほとんどです。着手金として、20 + 30 + 40=90万円かかる訳ではないのでご安心ください。
成功報酬
成功報酬は、案件解決時に発生する費用です。相手が支払の約束をしたとき、実際に相手から支払を受けたときなどに、成功報酬を支払うことになります。
この場合、成功報酬がどのタイミングで発生するのかは十分に確認しておくようにしましょう。事務所によっては、実際に相手から支払を受けていなくても、合意書を締結したり、判決を得たりした段階で成功報酬が発生するとしているところもあります。
浮気で請求できる慰謝料の相場
浮気で請求できる慰謝料の相場は、50〜300万円ほどです。このように、相場に大きな開きがあるのは、一言に浮気と言っても事実関係は様々で、個別の事案により相場は大きく異なるからです。
慰謝料の金額を決定するうえで、最も重要な事実としては、浮気の結果として、離婚や別居することになったか否かという点が挙げられます。
浮気があったとしても、引き続き同居のうえで結婚生活を続ける場合には、慰謝料の上限は100〜150万円程度となることが多いです。その他に、慰謝料の金額を左右する事実関係としては次のものがあります。
- 不貞行為の期間・回数
- 婚姻期間
- 浮気発覚前後の夫婦関係の変化
- 子どもの有無・年齢
- 不貞行為による妊娠・出産の有無
- 浮気の発覚による影響(心療内科受診など)
- 財産の状況
- その他
このように、浮気の慰謝料の請求額を決めるには、多くの事実関係を検討することが必要です。相手にどの程度の金額を請求したら良いのかお悩みの方は、一度、弁護士に相談することをおすすめします。
浮気の慰謝料請求で弁護士に依頼するお金がない場合
ここまでの記事をご覧になって、弁護士に依頼したいけれど弁護士費用の相場が高額で、お金を用意することができないとお困りの方もいらっしゃるでしょう。そこで、この章では、次の3つの観点から、弁護士に依頼するお金がない場合の対処法について解説します。
自分で慰謝料請求する
先ずは、弁護士に依頼せず自分で慰謝料請求の手続きを進めるという方法があります。実際、調停や裁判に至る前の段階では、弁護士に依頼せず自分で相手と交渉するという方もいます。
交渉は、必ずしも法律に基づく主張・立証ができなくとも、話し合いによる柔軟な解決が可能なので、弁護士に依頼せずとも当事者同士の話し合いで条件がまとまることもあるでしょう。
ただし、調停や裁判手続では、法律に基づく主張を行い、それを証拠で立証する必要があります。この場合、十分な主張・立証ができないなど、自分で進めるのは簡単ではありません。本来勝てるものが負けてしまうリスクがあるという点は覚悟のうえで手続きを進める必要があるでしょう。
分割払いや後払いができる弁護士に依頼する
弁護士への着手金が用意できなくても、弁護士によっては、着手金の分割払いや後払いに応じてくれる場合があります。特に、証拠関係などから慰謝料を回収できる可能性が高い場合には、分割払いや後払いに応じてもらえることも多いです。
このように、分割払いや後払いができるか否かは、事案に応じて判断するという弁護士も多いので、サイトなどの情報から判断するだけでなく、実際に法律相談をしてみて、分割払いや後払いが可能かを聞いてみるのが良いでしょう。
弁護士費用は相手に請求できる?
基本的に弁護士費用を相手に請求することはできません。ただし、裁判手続で慰謝料を請求する場合には、弁護士費用の一部を相手に請求することは可能です。
裁判で弁護士費用を請求する場合でも、相手からお金を受け取ることができるのは、事件が最終的に解決したときです。いずれにしても、弁護士に着手金を支払う段階で、相手から弁護士費用を受け取ることはできません。
まとめ
浮気の慰謝料請求における弁護士費用の相場について解説しました。弁護士費用の負担は決して小さなものではありません。しかし、弁護士に依頼することで、相手から慰謝料の支払を受けられるのであれば、その費用は決して無駄ではありません。
慰謝料請求の依頼は、費用と予想される結果を十分に確認したうえで行うようにしましょう。費用や予測される結果については、サイト上の情報のみで確認するのではなく、法律相談で確認することをおすすめします。ネクスパート法律事務所仙台オフィスでは、初回30分無料法律相談を実施しておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。