夫の浮気が原因で離婚を考えていても、手続きの流れがわからなければ、不安で話を進めることもできないでしょう。離婚の話し合いを始めるには、離婚成立までの流れや離婚後の生活の見込みについて事前に検討することが重要です。
この記事では、夫の浮気で離婚する前に検討すべきことを解説したうえで、離婚する場合の流れや、離婚する際に決めるべきことについても解説します。離婚を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
夫の浮気で離婚する前の注意点
夫の浮気が発覚しても、慌てて離婚の話し合いを始めるのはおすすめできません。話し合いを始めるには、次の事項について事前によく検討することが重要です。以下では、それぞれの内容について具体的に解説します。離婚の話し合いを始める前にしっかり確認するようにしてください。
まずは浮気の証拠を用意する
離婚の話し合いを始めるとしても、こちらに浮気の証拠がなければ、夫が浮気を認めないなど、話し合いが前に進まないことが考えられます。また、証拠をつかむ前に浮気の話をすると、証拠を隠滅されてしまうこともあるでしょう。
そのため、夫の浮気が疑われる場合には、まずは浮気の証拠を集めることが重要です。夫にこちらの動きを察知される前に、可能な限り証拠を集めるようにしましょう。
浮気の証拠として考えられるのは、メールやLINEのやり取り、クレジットカードの明細などがあります。離婚の話し合いをしてからでは、夫も警戒するでしょう。話し合いの前に確認できるのであれば、写真を撮るなどして証拠を残しておくことをおすすめします。
早まって離婚しない
夫の浮気で離婚する場合、怒りなどから条件を話し合わないまま、すぐに離婚してしまうケースも見られます。しかし、慰謝料などの条件を決めずに先に離婚してしまうと、その後は真剣な話し合いをすることは難しく、夫が慰謝料の支払に応じてくれる可能性は低くなります。早まって離婚して後悔しないよう、一度、冷静になって離婚条件などをしっかり検討することが大切です。
離婚後の生活を考える
離婚の話し合いを始める前には、離婚後の生活を考えることも重要です。特に、収入や住む場所については十分に検討することが必要でしょう。
離婚して慰謝料を支払ってもらったとしても、その後の収入や住む場所がなければ、たちまち生活は立ち行かなくなってしまいます。場合によっては、離婚の話し合いを始める前に、離婚後の仕事や住む場所を決めてしまうことも検討すべきです。
夫の浮気で離婚する場合の流れ
離婚の話し合いを始めようと決意した場合、離婚までどのような流れになるのかを把握しておく必要があります。
ここでは、夫の浮気で離婚する場合の流れについて、次の段階に分けて具体的に解説します。
離婚の合意
離婚の話し合いで、最初に確認すべきなのは、離婚に応じる意思があるのか否かという点です。離婚について合意できるのであれば、離婚を前提に条件を話し合うことになります。どうしても合意できないのであれば、具体的な条件を話し合うことなく、調停や裁判を検討することもあります。
離婚条件の話し合い
離婚条件は、離婚手続きの後で決めることもできますが、離婚してからでは、真剣な話し合いをするのは難しくなってしまいます。そのため、離婚する際は、離婚条件についてもしっかり協議することが重要です。離婚条件で具体的に決めるべきことについては、次の章で詳しく解説します。
離婚協議書、公正証書の作成
離婚とその条件について合意できたら、その内容についての離婚協議書、公正証書を作成します。離婚協議書とは、離婚する条件を整理して、それぞれ確認する契約書のことです。離婚条件の合意がされても、離婚協議書を作成しなければ、後から合意内容を覆されてしまうこともあります。条件の合意ができたら、すぐに離婚協議書を作成するようにしましょう。
公正証書は、公証人が作成する公的な文書です。離婚条件について公正証書を作成することで、夫が約束した慰謝料や養育費の支払いをしなかった場合に、強制執行ができるようになります。夫が約束を守るのか不安な場合には、離婚協議書に加えて公正証書も作成しておくと安心です。
離婚届の提出
離婚協議書や公正証書の作成が済んだら、離婚届を提出して正式に離婚が成立します。離婚協議書や公正証書を作成するのみでは離婚は成立しませんので、注意するようにしましょう。
協議離婚が難しい場合は調停や裁判
話し合いを進めても離婚や離婚条件の合意ができない場合には、調停手続や裁判手続を利用することになります。調停や裁判では、協議に比べて、法的に的確な主張をできるか、証拠による立証ができるかが重要です。不安のある方は、一度弁護士に相談することをおすすめします。
夫の浮気で離婚する際に決めること
ここでは、離婚をする際に決める離婚条件について具体的に解説します。
慰謝料
夫の浮気が原因で離婚する場合には、夫からの慰謝料の金額を決める必要があります。浮気が原因で離婚する場合の慰謝料相場は100〜300万円ほどです。不貞行為の期間や回数、婚姻期間など様々な要素を考慮して、具体的な金額を決めるようにしましょう。
慰謝料は、離婚後の生活をスタートさせるうえでも重要なお金です。浮気について確実な証拠がある場合などは妥協せず適切な金額を請求するようにしましょう。
財産分与
持ち家や車、預貯金がある場合には、離婚の際に財産分与の条件を決めます。婚姻後に形成した財産については、半分ずつの割合にすることが多いです。家や車など2つに分けられないものについては、その分を金銭で調整します。
親権、養育費
子どもがいる場合には、どちらが親権を持つのか、養育費の金額をいくらにするのかを決める必要があります。夫の浮気が原因で離婚する場合には、妻が親権を希望すればその要求が認められる可能性は高いです。その場合、養育費の支払を受けられるよう公正証書の作成も検討するようにしましょう。
年金分割
離婚の際は年金分割の手続きも忘れずに行うようにしましょう。手続きを行わなければ、婚姻中に支払った年金が無駄になってしまう可能性があります。
その他
婚姻時に貸し借りがある場合や、面会交流についての決めごとをする場合には、その内容も離婚協議書に記載するようにしましょう。離婚に直接かかわる問題以外も全て解決してしまうことが重要です。
まとめ
夫の浮気が原因で離婚する場合の手続きの流れと離婚条件の決め方について解説しました。繰り返しになりますが、離婚の話し合いを始めるには、事前に証拠や離婚後の生活について検討し、早まって離婚しないように注意しましょう。
離婚手続きを進めるうえで不安のある方は、一度弁護士までご相談ください。ネクスパート法律事務所仙台オフィスでは、離婚問題について初回の法律相談を無料でお受けしていますので、お問い合わせください。